これには、前回ご説明した【3分類】【酒の定義】【麦への酒税】、そして今回新たに出る新しい1つの定義が、強く関係しています。
実は、この4つがあるからこそ生まれたジャンルなのです(0w0`*)モキュン
まずは3分類。
ワイン・ビール・日本酒など、糖質を酵母菌で醗酵してアルコール発生させた物→
醸造酒
ウイスキー・ブランデー・スピリッツなど、醸造酒をさらにそこから蒸留した物→
蒸留酒
みりん・合成清酒・リキュールなど、香料・糖質・果実などを加えた物・または上記2種を合わせた物→
混成酒
そして、ビール&発泡酒定義と酒税。
【ビール】
●麦芽・ホップ、及び水を原料として発酵させたもので、アルコール分が20度未満のもの
●麦芽・ホップ・水・麦、及び米その他の政令で定める物品を原料として発酵させた、アルコール分が20度未満のもの
●但し、その原料中当該政令で定める物品の重量の合計が麦芽の重量の十分の五を超えないものに限る。
●麦芽は大麦麦芽・小麦麦芽関係なくビールに分類され、発酵は酵母発酵以外(酵母発酵と乳酸菌発酵の同時醗酵に行われるなど)もビールに分類される。
【発泡酒】
●麦芽使用量を25%未満にし、代わりとなる副原料(ホップ等)を75%以上加えた、アルコール度20%未満の物。
最後に、ビール・発泡酒への酒税定義。発泡酒もそうでしたが、第3のビールが生まれるキッカケは、やっぱりコレが一番重要でした。
●ビール発泡酒に使用されている麦芽の比率に応じて、酒税がかけられる。
●醸造酒・蒸留酒・混成酒は、コレに適応されない。
そしてここで、ポイントになる新しい酒の定義を1つ。
清酒、合成清酒、しようちゆう(焼酎)、みりん、ビール、果実酒類、ウイスキー類、スピリッツ類及びリキュール類以外の酒類を、
その他雑酒という。
この4つを知ると、自然と第3のビール(新ジャンルのお酒)のカラクリが分かった人もいると思います。
キーワードは
【麦芽を使わずにビール・発泡酒を作れば、麦芽比率にかけられる酒税はなくなる】
【さらにビールじゃないビールを造れば、ビールの麦芽比率にかけられる酒税が適応されない】
ぅふふ☆
そうです。。。カラクリは。。。
第3のビール(新ジャンルのお酒)は、味こそビール・発泡酒に近い物だが、ビールにも発泡酒にも分類されない
です。
日本で初めて作られた
「サッポロ ドラフトワン」は、麦芽ではなく“エンドウたんぱく”を酵母菌醗酵させています。次いで発売された
「キリン のどごし(生)」は、エンドウたんぱくではなく“大豆たんぱく”を、追う様に発売した
「アサヒ 新生」は“大豆ペプチド”。。。という風に、麦芽成分の代わりとなる全く違う植物の成分で作ってある。
しかも、ビール・発泡酒のどちらの定義にも当てはまらないから、分類も違ってしまいビール・発泡酒の様に麦芽比率に応じた酒税はかけられない。さらに、醸造酒・蒸留酒・混成酒とも違う。
結果、これらの酒分類は【その他雑酒】となり
酒税加算方法が変わるから、味が似ていても安い。
というワケなんです。
第3のビールを見る際には、ぜひお確かめあれ♪
ただし、ここで最後の疑問。
じゃぁ、
発泡酒を原材料としている「サントリー <ジョッキ生><金麦>」「アサヒ <クリアアサヒ><極旨>」はどうなるのよ?
実はこれには、一番最初に出てきた【酒の3分類】が大きく関係します。
ビール・発泡酒は、この3分類中の“醸造酒”に入ります。
そして。。。
例えに上げた商品達は、その
醸造酒であるビール・発泡酒に、大麦由来スピリッツ(これは焼酎ではありません)・麦焼酎等を混ぜ合わせているんです!
という事は。。。
みりん・合成清酒・リキュールなど、香料・糖質・果実などを加えた物・または上記2種を合わせた物→混成酒
はい、コレですね(笑
しかし、みりん・合成清酒ではない。。。
つまり、
醸造酒(ビール・発泡酒)に蒸留酒(大麦由来スピリッツ・麦焼酎)を加えているから、リキュールになり、発泡してるから
リキュール(発泡性)となるわけです。
気になる方は、試しに金麦の分類をご覧あれ♪
リキュールの酒課税規定はビール・発泡酒の物よりも断然低い=味はビール・発泡酒に近いのに、さらに安い。
しかも、この新ジャンルのお酒を発泡酒の様に課税しようとすると、新たな定義を作らなくてはいけなくなりますが、そうすると輸入のその他雑酒・混成酒にまで課税が及ぶ可能性があり、そうなると国際問題・酒の根本定義の作り変えにまで発展してしまう可能性がある。
今の所、国がこれらに対して簡単には手が出せないのは、実はこういう理由なんですねw
ふー、長かった(笑
では次は、今真っ最中の【ボジョレ・ヌーヴォーについての雑学】をお伝えいたします(*´∀`)ノ
PR